2021年度前期哲学演習I 様相論理のメモ
https://www.youtube.com/watch?v=56bmhmXJL50
Aが必然
全ての可能世界でAが真
Aが可能
Aが真である可能世界が少なくとも一つはある
更にここから,現在(起点)の世界$ wを導入する
世界$ wにおいてAが必然
$ wから見える全ての可能世界でAが真
世界$ wにおいてAが可能
$ wから見える世界の中で,Aが真である可能世界が少なくとも一つはある
https://www.youtube.com/watch?v=NhlwxMaDF7o
古典命題論理の4つを引き継ぐ
$ v(w, \square A) = 1
$ \iffすべての$ x \in Wについて,$ wRxならば$ v(x,A)=1
$ v(w, \diamond A) = 1
$ \iffある$ x \in Wについて,$ wRxかつ$ v(x,A)=1
双対性
$ v(w,\lnot \square A) = 1 \iff v(w,\diamond \lnot A) = 1
$ v(w,\lnot \diamond A) = 1 \iff v(w,\square \lnot A) = 1
https://www.youtube.com/watch?v=6pCZNDdGl7s
論理式の集合$ X\cup\{A\}
モデル$ \langle W,R,v \rangle
モデルの中の可能世界$ w
について
全ての$ B \in Xについて$ v(w,B)=1かつ$ v(w,A)=0を満たすとき,
前提$ Xと結論$ Aの推論に対して,
$ wを反例世界
$ \langle W,R,v \rangleを反例モデルと呼ぶ
$ Xから$ Aへの推論に対する反例モデルが存在しないならその推論は妥当であり,$ X \models A
言い換えれば
モデル$ \langle W,R,v\rangleと全ての可能世界$ wについて
全ての$ B \in Xについて$ v(w,B)=1ならば$ v(w,A)=1が成り立つ
$ X = \emptyset
前提が空集合なら単に,論理式$ Aが妥当であるといい,$ \models A
妥当な推論$ \square(A\to B) \vDash \square A \to \square B
次のような(反例)モデル$ <W,R,v>および世界$ w\in Wがあるとする
1. $ v(w,\square(A\to B))=1
2. $ v(w,\square A \to \square B) = 0
2より(実質含意の性質)
$ v(w,\square A) = 1
$ v(w,\square B) = 0
https://gyazo.com/3cafae4a1dc7c8785b06029bc9ad1316
ここから仮定したモデルは矛盾する,よって推論は妥当
非妥当な推論$ \square A \to \square B \not\models \square (A \to B)
次のような(反例)モデル$ <W,R,v>および世界$ w\in Wがあるとする
1. $ v(w,\square p \to \square q) = 1
2. $ v(w,\square(p\to q))=0
https://gyazo.com/980b07cbd9e7e2f5d6b1a5e1a877dad6
注釈
世界$ yにおいて$ qとかの真偽値はどうでもいい
別解
世界2つでも(戻ってくるでもOK)
https://gyazo.com/954eb05c08ec52464cb20fe7dd5facc1
https://www.youtube.com/watch?v=kiw1acUZCJU
$ xRy$ \iff$ yは$ xから見て倫理的に受容可能な世界
https://gyazo.com/089e5c4093401169b7b79a1b90f04c0d
そんな…
この世界では
$ \diamondは許可を表す
$ v(x,\diamond A)
$ \iff$ xにおいては$ Aはしてもよいことである
$ \iff$ xから見て倫理的受容可能なある世界では$ Aが成り立つ
$ \squareは義務を表す
$ v(x,\square A)
$ \iff$ xにおいては$ Aしなければならない
$ \iff$ xから見て倫理的受容可能な全ての世界では$ Aが成り立つ
$ \iff$ Aでない世界は$ xから見て倫理的に受容不可能
$ xRy$ \iff$ yは$ xより後の時点である
https://gyazo.com/9626c80ea9ec95f125dbe28974052e67
$ \lbrack F \rbrack A \lbrack F \rblack
$ \langle F \rangle A \langle F \rangle
https://gyazo.com/9cc1d635da6c26b55edd084715ac984c
次が成り立つ
$ A \vDash \lbrack P \rbrack \langle F \rangle A
現在Aなら
どの過去から見ても
未来のどこかで
Aである
$ A \vDash \lbrack F \rbrack \langle P \rangle A
現在Aなら
どの未来から見ても
過去のどこかで
Aである
https://www.youtube.com/watch?v=g3tI-Nqt5Fw&t=456s
$ \square A \vDash A
「しなければならない」から「している」は妥当か?
$ \square A \vDash \square\square A, $ \lbrack F \rbrack A \vDash \lbrack F \rbrack \lbrack F \rbrack A
真理様相なら成り立ちそうではない気がする
様相の解釈の違い
到達可能性と推論の対応関係を吟味する
つまり$ xRyかつ$ yRzならば$ xRzが全ての$ x,y,zで成り立つならば
$ \square A \vDash \square\square A, $ \lbrack F \rbrack A \vDash \lbrack F \rbrack \lbrack F \rbrack Aは妥当になる
https://www.youtube.com/watch?v=zLgpgROh-yU&t=0s
つまり
フレーム$ F = \langle W,R\rangleとする
$ F上にどのような付値$ vを定義しても$ Xから$ Aの推論への反例モデルがないとき,妥当であるとする
$ X \models^F Aと書く
$ X \models A$ \iff全ての$ Fについて$ X \models^F A
任意のフレーム$ Fについて次が成り立つなら,推論$ Sと性質$ Pが対応すると言う
推論$ Sがフレーム$ Fにおいて妥当$ \iff$ F上の到達可能性関係$ Rが性質$ Pを満たす
例
推論$ \square A \models \square\square Aと推移性が対応する
任意フレーム$ Fについて$ \square A \models^F \square\square A$ \iff$ Rが推移的
一覧
https://gyazo.com/2d0945c344f94517f0c1905992d163c2
https://gyazo.com/1781ea2fd0badce93d3f441711881f59
証明
$ \impliedby
まあ自明ということで
$ \implies
対偶
任意のフレーム$ F = \langle W,R\rangleで$ Rが推移的でないなら$ \square A \not\models^F \square\square A
そういう論理式$ Aを一例だけ持ってこればよいので単に要素命題$ pとして
任意のフレーム$ F = \langle W,R\rangleで$ Rが推移的でないなら$ \square p \not\models^F \square\square p
反例の定義に従って
任意のフレーム$ F = \langle W,R\rangleで$ Rが推移的でないなら
$ F上の付値$ vと$ x \in Wについて
$ v(x,\square p) = 1
$ v(x,\square\square p) = 0
$ xRy,yRzだが$ xRzでない$ x,y,z \in Wが存在する
付値$ vを任意の$ w \in Wについて
$ v(w,p)=1 \iff xRwと定義する
$ xRwなら$ v(w,p)=1なので$ v(x,\square p) = 1
https://gyazo.com/0ae2074cd0c793815ba70494881a5658
これより,$ Rが推移的でないどのようなフレームにもその上に反例モデルを構築することが出来ることが示された
対偶を示した
したがって任意のフレーム$ Fで$ \square A \models^F \square\square Aなら$ Rが推移的
https://www.youtube.com/watch?v=Oi5ISDTcZRY
一般的な(プレーンな)様相論理のフレームをKフレーム
Kripkeに由来する
また各々フレームで妥当な推論の集合を論理KTとかと呼ぶことにする
特に以下を特別に呼ぶ
論理$ KS_1 \cdots S_{n}は全て論理$ Kの拡張である
つまり$ Kで妥当な推論は$ KS_1 \cdots S_nでも成り立つ
https://gyazo.com/84a8e91b31d6be6643666c3cc2ce1bae
フレームと推論集合の包含関係が逆転していることに注意